この場所はどこ?:Mモニュメント(続き)

2012年の冬に、Mモニュメントはもともとあった場所からほんの少し移動し、ちょっと違った姿を見せた。

Wrapped-up M-Monument

Wrapped-up M-Monument

念入りに包まれ、格子のある檻のようなものに移されて、Mモニュメントは総合図書館の前にあった木が移植されるために場所を作るべく用意していた。大学の総合図書館は2012年に壮大な建築プロジェクトが動き出した。図書館の周りにあった数本の木は、医学部二号館の前に新しい居場所が用意されたのだ。Mモニュメントが一時的に包み上げられていたのは、この木の植え替え作業をしやすくするためだった。

包み上げられ、少し持ち上げられたMモニュメントは、傍を通る人たちに彫刻がなくなった風景がどんなものか気づかせたかもしれないし、そのインスタレーション(設置物)の経緯について何か思わせたかもしれない。パブリック・アートは軽蔑的なスラングで「プロップ・アート」とも言われる。これは不自然に置かれてしまうアートという意味だ。ある面ではこの言葉は、パブリック・アートの作品とそれが置かれる環境との間の難しい関係性や、企画者の意図とそれを見る人の実際の反応とのギャップを物語っている。この公共空間に置かれて、Mモニュメントはただ医学部の記念的作品であるだけではなくなって、周囲と対話し、それ自身が解釈の変更に対して開かれた存在になったのだ。

いまMモニュメントは当初の姿で元あった場所に置き直されている。そこに立ち続けながら、語り、問いを投げている。

作成者  | 2014-05-27 (火)
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